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2024/11/09 (Sat)
■ 有頂天家族: 幻冬舎 : 森見 登美彦;
■
有頂天家族
:
幻冬舎
: 森見 登美彦;
商品カテゴリ:
本
セールスランク:
824 位
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参考価格:
¥ 1,575 (税込)
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狸兄弟の話
不思議な世界でした?
でも、楽しかったです。
現実にはありえない話ですが、森見ワールド炸裂という感じでした。
私は特に次男狸が好きですねぇ、肝心な時力を発揮するあたりが!
森見ワールドは、好きな人は好きかも知れないけど、苦手な人は苦手でしょうね、多分。
個性的な文章が好きな方にはオススメです。
全部で3部作になるらしいので、第2部が待ち遠しい今日この頃。
大傑作になるはずだった
ぼんぼりの燈る京都の街、蠢く狸や天狗たち。ファンタジーの世界を見事に創り上げており、うれしくなってしまう。
しかし、ストーリーは何とかならなかったのだろうか。キャラクターが先に出来てしまい、それをもとに物語を始めてしまったということであろうか。もう少し知恵を絞っていただきたかった。登場人物とストーリーの関係に、アンバランスなものを感じる。残念だ。内容がほんのちょっと良くなるだけで大傑作になるはずだったのに。
「有頂天ホテル」という映画があった。最高のタレントを集め、タレントごとには良く出来ていたが、全体としては低調子の出来となってしまった。ドタバタになりきれてなかった。たまたま同様のタイトルなので思い起こしたことなのだが。
この話、すごいと思います
狸でしょ、たかが。狸って、昔話に出てきたり、「平成ぽんぽこ…」に出てくるヤツでしょ。子供じゃないんだから。
ああっ、でもこの作家にかかると、京都の街を背景に、なんともファンタジックで、愛らしいキャラたちに、すっかり魅了されてしまいます。
なんというツンデレ小説『有頂天家族』
既に数多くの素晴らしいレビュウが有るにも関わらず、書いてしまいます。
それ程までに、語る口や書く手が止められない素晴らしい作品でした。
デビュウ作『太陽の塔』から通じ広く認識されている森見登美彦の特徴(魅力)は2つあると思います。
1.如何にも堅い文章で扱われる珍妙な題材(登場人物)。
2.上記の馴染み難い文章を解り易くするための短編的構造。
先ずは1つ目。
デビュウ作『太陽の塔』の序文はこうです。
--
何かしらの点で彼らは根本的に間違っている。なぜならわたしが間違っているはずがないからだ。
--
しかし、語っているのはただ振られた事実を認められない馬鹿な男です。
そして、本作『『有頂天家族』』の序文は以下。
--
桓武天皇の御世、万葉の地を後にして、大勢の人間たちが京都へ乗りこんできた。――(中略)――桓武天皇が王城の地をさだめてより千二百年。今日、京都の街には百五十万の人間たちが暮らすという。だが待て、しばし。
--
歴史を語り、現代(いま)へ導く主人公(一人称小説で語り手)の名は矢三郎。
狸である。
しかも、前述の口上は本編に全く関係ありません。
上記だけで森見登美彦の面白さが何となく伝わるでしょうか。
それでいて──
・父の死による兄弟の擦れ違い(当然だが狸)。
・ある理由から姿を見せられない婚約者(当然だが狸)。
・四字熟語を連呼する憎い敵(当然だが狸)。
・天狗を翻弄し勝手気儘に生きながら月を見ると人知れず泣き出す女(これは人間)。
・神通力を失いながら人間に惚れて無様をさらす天狗(当然だが天狗)。
──と、狸と天狗と人、種族と個人、喜びと悲しみ溢れる登場人物が文字通り、飛び廻り走り廻ります。
上記の説明だと逆に取っ付き難いと感じる人もいるだろうと思います。
その疑念を一蹴するために、私個人が気に入った記述を引用します。
・狸のくせに犬猿の仲であった。
・相手が自分の思い通りに動くことと動かないことの間隙にこそ、惚れるということの味がある
・「まだ分からんか!」偉大なる恩師は叫んだ。「喜ぶ顔が見たいからだ!」
・「喉から毛が出るほど欲しいです」
・獅子は我が子を千尋の谷へ蹴り落とし、狸は我が子を温かい枯葉の寝床から冬の雨の中へけり出す。
・「詭弁上等! 御意見無用!」
──等等。
ひと癖もふた癖もある、仲が悪いのに長年付き合っている連中、誰も彼も男も女も狸も天狗も人間も見事なツンデレです。
2つ目
本作は実際に短編で、以下の7章からなっております。
▼目次
1.納涼床の女神
2.母と雷神様
3.大文字納涼船大合戦
4.金曜倶楽部
5.父の発つ日
6.夷川早雲の暗躍
7.有頂天家族
▲全7章
判るようで解らない副題。
それぞれが1話完結(6と7は完全に続き)で矢三郎の語り(一人称小説)から変わらないながらも、描かれる題材(登場人物)が入れ替わり、それでいて本筋は1本通っています。
それなりに伏線(小ネタ)もあり、連載短編と感じさせない構成力も見せ付けられます。
大衆娯楽として徹底した馬鹿らしさを見せる一方、出会いと別れと云う文学の礎を見事に踏みならしている良作。
思わずニヤリ、不意にホロリ。狸と天狗と人の物語。
正直、夜は短し歩けよ乙女で出し切ったか、と思っておりましたが、いやはや失礼しました。
これからも作家読みを継続しようと思う数少ない作家の一人です
最後に一言──
海星かわいいよ海星。
愉悦のうそ話
森見登美彦は現代の現代らしい作家です。
少し前の世代だったならば「あたら若い才能を浪費して,若いうちは本腰を入れた小説を書かんか」と説教されそうな小説を,飄々と才気煥発で発表し続けています。
本書は狸と天狗と人と京都の物語です。
偉大なる狸だった父親は今やもう亡く,暢気で芯の太いすっとぼけた母さんと4人のいろいろ困ったところのある息子達が京都の洛内の森で暮らしています。
ミステリあり,青春あり,陰謀あり,家族ドラマありのサービス満点の娯楽小説で,
そしてなによりラストへ駆け抜ける疾走感が魅力です。
心を遊ばせたい時にぴったりな1冊。
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2008/03/02 (Sun)
未選択
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