モーツァルトのオペラが好きな人に
筆者は京都大学の人文の先生で,「音楽史で最も偉大な作曲家」だと思うのはシェーンベルクとストラヴィンスキー,
「音楽史で最も愛おしい作曲家」だと思うのはモーツァルトなんだそうです。
オペラ「後宮からの逃走」「フィガロの結婚」「ドン・ジョバンニ」「コシ・ファン・トゥッテ」「魔笛」は,モーツァルトの恋愛五部作である,という説を熱く語る内容で,私にとっては意表を突かれるような新発想でした。
モーツァルト・オペラが好きな方は,一読されると面白いと思います。
ただ,筆者は,名著「オペラの運命」を執筆した方ですが,
あの著作が何の予備知識もなくても十分楽しめたのと比較して,
こちらは”研究者の論文”が文体だけ軽くなったような感じで,哲学的なだけでなく,
5つのオペラの音楽やストーリーが頭に入っていないと,
何を言いたいのかよく分からないという,高度なものです。
筆者にとっては,まさに本領発揮なのでしょうが。
実際,私は,「後宮からの逃走」を見たことがなく,のっけからよく分からなかったので,DVDを買って見たほどです。
自分としてはもう少し素人的な内容を勝手に期待してたので,少々裏切られて★4つですが,
筆者の熱い思い入れは十分伝わりました。大学の社会人講座などで筆者の話を聴講する機会があればいいなぁと思いました。
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