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米原万里の「愛の法則」 (集英社新書 406F): 集英社 : 米原 万里;
米原万里の「愛の法則」 (集英社新書 406F)
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    タイトル

    やはりタイトルの「愛の法則」はちょっと内容を正しく表わしていないかな。

    生物学的に見た男女出生率の違いの話のことなんでしょうけど「愛の」ってのは
    著者の意図するところと違うような気がします。

    最後のところで、「これは私見なので、各自で確認されたし」と書いているのは
    著者の最低限の良心かな。

    後半の同時通訳の苦労するところの業界裏話(?)など大変面白いだけにタイトルと内容の乖離はちょっと残念。
    滲み出る米原万理の魅力

    米原万里に卵巣がんが見つかったのが2003年秋、2005年2月頃転移発覚後闘病生活に入り、2006年5月没。
    この本は米原万里の講演会1998年から2005年をまとめたもの。
    最後の2005年6月28日の日付を見ると、聴衆の前でギリギリまで頑張っていた姿が伺える。
    米原万里の執筆した本と異なり、話すという行為の中では通訳の本業発揮とも言える無駄の無い毒舌と笑いが詰まった一冊になっている。
    米原万里が通訳になったであろう生い立ちと、通訳の仕事を通して感じた日本の長所欠点に加え、外国語を取得する方法など、講演会の聴衆に向けて滲み出る米原万里の愛に触れる一冊。
    ハタと膝をうちました・・・

    彼女の本を読むのは「オリガ・モリソブナの反語法」「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」「ロシアは今日も荒れ模様」に続いて4冊目です。また、某週刊誌での書評欄をいつも楽しみにしていました。彼女の訃報は非常にショックでしたが、彼女の講演をまとめたこの本はとても前向きな気持ちにさせてくれます。
    本の内容の共通のテーマ、人はコミュニケーションを求めてやまない生き物であるに対してはハタと膝をうちました。国際化とグローバリゼーション、理解と誤解の間、通訳と翻訳の違い、の章らは、通訳という職業に長くいただけあってとても説得力がありました。講演を本にしたということで、読んでわかりやすかったです。一気に読めました。まさに彼女が通訳の箇所で言っていたように、不必要な言葉を除いた要点をはずさない文面、それでいて彼女独特のユーモアも随所に現われています。彼女の好きな下ネタにもクスッとさせられましたしねっ。
    彼女がプラハの学校で経験した読書や作文のやり方は、もう大人の私にも参考になりました。もしわたしが学校の先生なら取り入れてみたいですね。それから、日本の作家も含めてもっと読書しようと・・・
    目からウロコが・・・

    おもしろい。
    米原さんの本は、『オリガモリソブナの反語法』、『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』についで3冊目。
    この本も、彼女らしく、パワフルでユニークで、とても痛快な本でした。

    特に第1章「愛の法則」と第2章の「国際化とグローバリゼーションのあいだ」が秀逸。
    「くすくす」と笑いつつ、「なるほど」と感心し、いい読書体験でした。
    コミュニケーションの力学

    講演内容を起こしたもので、口語体であるため読み進めるのには楽な感じでいいとは思います。
    この本を一言でまとめると、「コミュニケーション力学」について書かれたものだと感じます。
    確かに言葉は記号ですし、通訳は記号を別な記号に変換する仕事でしょう。
    言葉について、この本に書かれてあるように日本とロシアの教育を比較してしますと、やはり日本の教育は暗記中心である点が面白くないですね。
    人間として、言葉を使い、その言葉を通してコミュニケーションを確立し、何を感じ、どんな行動を起こして、そして生きていくのか。
    コミュニケーション力学を使って、いい人生を作っていきたいと思います。

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